認知症について №2

畑で野菜の収穫です

認知症には様々な症状があります。

物忘れ、物取られ妄想、幻聴、幻覚、徘徊など様々な症状があります。

まず物忘れが多くなって、認知症を疑い、認知外来などを受診されると思います。

食事したことを忘れてしまった、自分で物を移動したことを忘れてしまった、自分で買ったものを忘れてしまった、もらったことを忘れてしまったなど、軽度な方でこの程度ですが、この場合の忘れてしまったということは、説明しても思い出すことはありません。本当に最初からなかったことになってしまうのです。

親子関係ですとちょっとした喧嘩に発展してしまうかもしれませんが、当施設の介護士の場合、『そうなんですね!わかりました、今は○○しているので手が離せませんが、後で一緒に探しますね!』『あら!ではそろそろオヤツの時間ですね』など、否定せずにその場を納得させ、お席に誘導します。

気分を害せず(ここで気分を害してしまうと1日不穏になる方もいます)、この仕事が終わったら(後で…だけですと曖昧過ぎていつになるかわからないという不安要素が生まれます)自分の要求が満たされるので安心だなという風に気持ちを切り替えて頂き、お席に誘導することでお友達との会話が始まり、気分の切り替えをしていただきます。

では、そのあとはどうなるのでしょうか。

1回で満足された方はこのまま忘れてしまいますが、まだ何か気になっていることがある方はこの行動を繰り返します。

私の知る限りですと、1日10回から20回、事務所へと尋ねてきては自分の要求を満たすまで話続け、1回につき15分ほど、3か月ほど毎日行動された方がいました。自分が忘れてしまったことに納得できず、周りの人全員が嘘をついていると思い込み、起きている間中不満だらけになってしまったのでしょう。

このような場合は医師と相談し、不安な気持ちを和らげる処方をしていただきます。

現在このような行動をされた方は毎日お友達と仲良くお話をし、カラオケをしたり、工作をして過ごされています。

一人ひとりが違った症状なので、決まった対応がない認知症ですが、老人施設に入居される方で認知症が全くない方はほとんどいらっしゃいません。ほとんどの方が多少なりとも認知症になっていますので、年間数十人の認知症の方と接していると何となくタイプがわかってきますので、こちらの受け答えがヒットしたときはお互いに笑顔になるんですよ!

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