認知症について №1

認知症って言っても様々な種類があることはご存じかと思います。。

アルツハイマー型認知症…女性に特に多く、脳の萎縮によるもので、記憶障害、見当識障害、新しいことが覚えられない、物取られ、徘徊、介護拒否などがある

レビー小体型認知症…アルツハイマー型認知症の次に多く、大脳内のレビー小体が多いタイプと脳幹のレビー小体が多いタイプとあり、パーキンソン病は脳幹に多く出ます。幻視、妄想、抑うつ症状、睡眠障害などの症状がある

脳血管性認知症…脳梗塞、くも膜下出血など、脳の細胞が壊れておきる認知症で、まだら認知、感情失禁など、脳の破損部位により、症状が違う。

前頭側頭型認知症…前頭や側頭に委縮が認められる難病のひとつ。思考や感情コントロール、人格、理性が破壊され、社会性が無くなり、まったく人格が変わってしまう。

若年性認知症…40代後半から60歳くらいで脳梗塞やくも膜下出血で脳の損傷によるもの。脳血管型やアルツハイマー型の症状に近い

その他、アルコール性認知症など、まだまだありますが、上記のものが一般的なものかと思われます。

色々な種類の認知症がありますが、様々な症状があり、まったくどれに当てはまるか、わからない症状がたくさんあります。

一般的な記憶傷害(うっかりではなくしっかりと忘れていること、まったく身に覚えがないこと、ていうか、そんなことはない!状態くらいの忘れっぷりです)に、真夏にたくさん着込んで汗かいて『なんで今日はこんなに暑いのかしら』との発言(本人たくさん着込んだという意識がない)や、突然、洗濯機やら電化製品の使い方がわからなくなって気が動転してしまい意味不明のことをやりだす、ごみ箱をトイレにするなどの問題行動、持ってなかったのに、持ってたと言い張り、挙句の果てには○○に盗まれたと警察へと連絡し、近所中に言いまわる物取られ妄想に、なんだか突然スイッチが入って怒りだし、とても温厚な方だったのに『お前を死んでも恨んでやる!』という暴言を吐かれる感情失禁。。。

実はこのような大きな症状に変わる前に、多少なりとも色々なサインを出しているんです。

頻繁に家の中を探している、片付けられなくなっている(以前から片付けられない方は除外)、誰かに何か言われたと頻繁に言う、誰かに見られているという、いつも使っていた物の前でぼーっとしている、トイレの失敗が増えた、洋服タンスの中に違うものが入っていた、急に泣き出すなどの情緒不安定なところがある(認知症症状の一つに鬱があります)、突然道に迷ってしまった等。

少しでも『あれ?』って感じたら、認知症外来に行くことをお勧めします(結構ご本人様からの拒否がありますからね。一緒に受けようなどのあの手この手は必要です)。上記のような状態になったら、一般家庭で介護するのは難しくなるでしょう。早めの受診、早めの治療が一番です。

ご入居相談の時、様々な認知の症状をお話すると涙ぐむご家族がたくさんいらっしゃいます。認知症の症状に振り回され、周りの方々にも言えず、理解してもらえず、一人で、ご家族で悩み、苦しみ、それでも頑張ってきたからだと思います。

今までの父親、母親が別人になってしまったことに対し受け入れることも難しかったんだと思います。

私はいつも付け加えます。

『認知症はご病気です。お薬が出ているんですから。認知症になった方も自分でどうしてよいのかと心の中では悩んでいると思います。表現こそは変わってしまったけど、心は変わっていませんから。ご本人様のお気持ちが落ち着くように、お薬でコントロールすることも悪いことではないと思います。』

福祉の信念から見て薬に頼ることは間違っているかもしれません。でも一番苦しんでいる方々…ご本人様とご家族様の心を楽にしてあげてケアしていくのが本来の介護の基本だと私は信じています。


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