近年、認知症の方が増え、BPSD(認知症問題行動)への対応を求められ、認知症実践者研修が注目されています。
こちらの研修、国が定めている研修で終了証も交付されるため、参加すればよいという研修ではなく、かなりの時間と労力が必要とされますが、取得者は周囲からの信頼度が高くなる、現場に沿った内容で、すぐに業務に活かせるとの声が多く、応募者多数の研修になります。
しかし応募したから受講できるわけではなく、申し込み後、抽選、当選した者しか受講できない狭き門になってきています。d
令和2年度の研修に当社より5名応募しましたが、2名のみ受講することができました。
今回、私自身、研修参加したのですが、思っている以上ハードな研修でした。(実務者研修の方が大分楽でしたね)
受講者自ら、研修対象者を決め、対象者の問題行動(BPSD)は何なのか、その問題行動(BPSD)とはこちらの観点からなのか、本人が困っているものなのか、それについて回りはどう思っているのか、家族はどう思っているのかなどを明確にし、本人の行動及び家族やケアマネ、同僚などに対象者の生い立ちから環境などの情報を集められるだけ集め、細かく分析します。
その後、問題定義が完了したあと、どのような方向性にて対応していくのかを考えます。本人が不安を解消できると思われる方法、物理的な環境を整えたりなど、一ヶ月以上の時間をかけて実行していきます。
データを集計するため、対応を統一するよう職場のスタッフにも展開します。
期間中、思ってもない方向へと結果が出てしまった場合は対応を微調整したり、変更したり、どのような結果が出たのかをレポートにまとめます。
レポートは研修最終日に発表されますが、みなさん本当に色々試行錯誤され、真剣に取り組んだ様子が伺える発表内容でした。
この研修では、認知症の症状は全て同じではないため、具体的な正解がなく、対象者にとって、その方を支える周りの人にとって、最善な状況になることがベターということ、日々状態が変わる対象者に対して、臨機応変に対応していくスキルを身に付けていくことの必要性を改めて認識しました。
今後、更に認知症人口は増加すると言われています。
一緒に生活してきたご家族からしてみたら、今までとは人格が変わったしまった、理解できない行動をするなど、認知症は病気だと言われても、中々納得できないのではと思います。
少し前までは数種類と言われてた認知症のお薬ですが、今では数百種類あると言われていますので、その方の症状に合うお薬があると思います。医師によって、見解はまちまちですが、私は多くの方々と接してきた中で、お薬で症状を緩和する、進行をゆっくりとする効果はあると感じています。
元気がない日が増えた、数分、数十分おきに全く同じ話をする、急に電化製品が使えなくなった、うっかりが増えた、貴重品をいつも探している(今まででは考えられないところに閉まっている)、トイレの失敗が増えた、夜寝てないことが多い、攻撃的になったなどの症状の頻度が増えたなと少しでも感じたら、専門医を受診し、相談されることをお勧めします。
長谷川式やMRIなどの検査で早期発見、早くからの治療にて問題行動(BPSD)を緩和も期待できます。
誰しもが認知症になるリスクを抱えています。
認知症の症状や症例を知ることは、知らずしらずのうちに認知症を患ってしまった方々のためだけではなく、周囲のため、そして一番は自分のためではないかと気づかされる研修でした。
この研修は介護事業所に所属している方でしたら、その他の資格、初任者研修などをお持ちでない方も受講できます。
積極的に受講されることをお勧めいたします。